千葉県山武市白幡の白幡神社において、おはた織りの神事が行われました。
3日間に渡り、麻を裂いて、撚りをかけ、織って布にして奉納する神事です。
今年は3日目のはた織りの日に立ち会うことになりました。
奉納後は氏子の男性たちによるご接待を織姫さん方は受けることになります。
その献立は古来から伝わる物とお聞きしました。
久しぶりの快晴に恵まれ藍を刈りました。
時間がないため、茎ごと干しています。
1番、2番は茎をしごいて葉のみを乾燥させていました。
茎にはほとんど色素が含まれていないからです。
コブナ草は原野に多い一年草で八丈島では灰汁媒染で黄色に染めている染料です。
我が家の畑の一部に自生していて、金曜教室のメンバーが利用したいというので採集しました。
すぐ利用できない場合は天日で乾燥させておきます。
地機でのもじり織りが織り上がりました。透けてみえる布なので重ねて壁にかけて眺めています。
もじり織りを高機で織ると機に無理な負担がかかったり織り手としても開口を気にしながら織ります。
地機の場合は平織と同様に織れるので最近はもっぱら地機を利用しています。
金曜教室で葛をしてみたいという声が上がり、近所に採集に出がけました。
田んぼ脇の土手にスーと伸びた太めの葛の蔓を選んで刈取り、葉を落とします。
1ひろ位の長さに切りそろえ、煮る鍋の大きさに合わせて輪にして縛ります。
茎が柔らかくなって芋をふかしたような匂いがするくらい、30~40分くらい煮ます。
川の水のようなところに1晩つけて雑菌を付着させて、青草の中で2昼夜発酵させます。
発酵した表皮はぬるりと解けて水洗いで繊維は現れます。芯を抜いて乾かします。
最近綿打ちをしてくれる綿屋さんがめっきり減ってしまい、困っていました。
でも他の綿と混ぜないでやってくれるかさはら睡眠館(袖ヶ浦市)を見つけ、行ってきました。
まず粗くほぐし、カード機で繊維揃えて薄く伸ばします。
それを数枚重ねて裁断し、たたむ機械まで移動して、パタパタたたんで下に降りてきます。
それを10枚ビニール袋に入れて終了。あっという間の出来事です。
よろけ筬を使って、2点。
通常経糸の垂直と緯糸の水平点が交わって織が進んでいきますがよろけ筬を使うことで
経糸に曲線を作ることができます。
よろけ筬は天地交互に数羽ずつ筬目の幅を変える特殊なものでそれを上下して使用します。
経緯手紡ぎ糸で織ってみると風合いに独特のものが現れました。
繭1.8ℓあたり重曹10gを3ℓの水で溶かします。
さらし袋に入れた繭をその中で40~50分位煮ます。
柔らかくなった繭の薄いところから指を入れて繭を開き、中のさなぎを出します。
全部の指を使い、繭を伸ばし、かけ枠に掛けます。
これを数個重ねて1枚の真綿に仕上げます。
月曜クラスの人たちが藍の生葉染めをしました。ほとんどがスカーフなどの絹の布でしたが糸も少しあり、先にえんじゅ染めした黄色のスカーフに藍を重ね染めして、グリーンに染めたものもありました。
インド綿の手紡ぎコート、もともとは生成りで着ていたが柿渋で染めて数年使用していたものをさらに藍染めにしてみようと思い立った。目の粗い手紡ぎなので染まりが良く、5回染め重ねて終了にした。
館山市の長須賀小屋にて唐桟織道楽という展示があった。
市民の皆さんがお持ちの館山唐桟織の着物の展示だが目に焼き付き
魅了された80番手のお振袖があった。
それは唐桟織の4代目が御嬢さんの成人式のために織られた
ものだった。綿織物のイメージを一変するほどの驚きの手触り
だった。ご本人が会場にいらしたので断って触らしていただいたが
昔は100番手のものも織られていたとお聞きし、技術の高さに
感服した。いいものを拝見し心躍る1日だった。